悪寒のおばん

新幹線ホームが昔とは様変わりしている。

女性のビジネス客が増えたり、

アジアの観光客が増えたりってことに続いて、

女性高齢者の乗客をよく見かける。

昨日もホームの待合室に入ったら、

老人特有の臭気がむわっとこもっていた。

ぼくだってきっとすんごい加齢臭だろうから、

そこは我慢しよう。

ぼくが座った右隣では

70代かもしかすると80代の女性ふたりが、

スマホ操作についてけっこう高等な会話を交わしていた。

アットマークを入れて、それでなんたらかんたら

キャッキャ話している。

で、左隣には単身の高齢女性がいて、

この人は絶え間なく体を小刻みに震わせ続けている。

悪寒なのかチュウブなのか……

ひとりで大丈夫なんだろうか、

右隣の女性ふたりの連れなんだろうか、

こんな震えてばっかりで長旅に耐えられるんだろうかと、

心配になってくる。

その高齢女性がそのあとどうなったかは知らない。

*バック・トゥー・ザ・ウハちゃん2006年の今日「女性MTの恐怖」