お腹いっぱいの空

何にも囚われることのない

穏やかな休日

雲が豊かに膨れ

空は些か満腹過ぎて

涙目になっている

穏やかな休日

突然の約束も

緩やかに

プールのような匂いの街をゆっくり歩く

誰を思うより

ねぇ、ほら見て

緑があんなに溢れてるの

人の悪口より

ほら、あの空の膨れっ面たら。

わたしもね、随分

ふくれたり、駄々をこねたり

嫉妬、みたいなのしたけれど

あれにはもう、敵わないわ。

誰が好き、とかいう時計はもう外して

爪先の整った靴で景色になってみようと思うの

休日はあっという間

髪もすっかり程いて

風と空気の匂いに

委ねて

満腹過ぎる空のご機嫌を横目で気にしながら。